FAQ

よくあるご質問

鋳鉄・鋳鋼分野

白銑化とチル化の違いは何ですか?

白銑化はセメンタイトが主成分となる組織で、全体的に硬く脆い。チル化は鋳物表面や局所的に白銑化が進行した状態で、冷却速度や添加元素によって局所的に発生します。白銑化は意図的に行う場合もありますが、チル化は欠陥として扱われることが多いです。

炉前管理におけるCEメーターの誤差要因は何ですか?

熱電対の劣化、テルルの不均一分布、カップの充填量不足、冷却速度のばらつきなどが誤差要因です。定期的なキャリブレーションと標準化された操作が必要です。また、測定環境(風、温度変化)も誤差に影響するため、測定条件の安定化が求められます。

銑鉄の種類によって接種効果に違いはありますか?

高純度銑鉄(低S,低P)は接種効果が安定しやすく、黒鉛形態の制御が容易です。逆に不純物の多い銑鉄では接種剤の反応が不安定になり、黒鉛形態がばらつきやすくなります。銑鉄の選定は鋳鉄の品質に大きく影響するため、原材料管理が重要です。

スクラップ材の種類によって球状化率に影響はありますか?

あります。特に高Mnスクラップや高Sスクラップは球状化阻害の原因となり、球状化率を低下させます。スクラップの選定は球状化処理の安定性に直結します。また、銅やクロムを含むスクラップは基地組織にも影響を与えるため、成分管理が重要です。

熱分析によるSi量の推定はどの温度点を基準にしていますか?

化が阻害されることで、セメンタイト共晶反応が顕著になり、Si量の逆算が可能になります。冷却曲線の解析により、初晶温度・共晶温度・過冷度などから成分推定が行われます。

チル化傾向はどのような因子で増加しますか?

高冷却速度、低炭素当量、テルルなどの黒鉛化阻害元素の存在、鋳型の高熱伝導性などがチル化傾向を増加させます。特にテルルは強力なチル促進剤であり、冷却曲線上で過冷度を増加させ、セメンタイト晶出を促進します。鋳型材質や鋳造条件の最適化がチル防止に重要です。

鋳鉄の基地組織におけるパーライトとフェライトの割合は何によって制御されますか?

主に冷却速度と化学成分(特にMn, Cu, Ni)によって制御されます。MnやCuはパーライト化を促進し、冷却速度が速いほどパーライトが増加します。逆に、低冷却速度や脱Mn処理によりフェライトが優勢になります。熱処理によっても組織制御が可能で、焼鈍処理によりフェライト化が進みます。

レアアース添加による球状化阻害元素の中和機構を説明してください。

RE元素(Ce, Laなど)はSやOと強く結合し、Mgの球状化作用を阻害する元素(S, O)を中和します。これによりMgの有効濃度が維持され、球状黒鉛の形成が促進されます。REはMgと異なり、溶湯中で安定した酸化物や硫化物を形成し、球状化率の安定化に寄与します。

SiC添加はFe-Si添加と比較してどのような利点がありますか?

SiCは炭素と珪素を同時に供給できるため、炭素当量の調整が容易です。また、脱酸効果が高く、黒鉛の球状化を助ける作用もあります。Fe-Siに比べて反応速度が遅いため、制御性に優れます。さらに、SiCは溶湯中で安定した反応を示し、Mgとの反応による球状化阻害のリスクが低い点も利点です。

接種効果は冷却速度に対してどのように依存しますか?

接種効果は冷却速度が速いほど顕著になります。高冷却速度では黒鉛核生成が困難になるため、接種剤(Fe-Si系、SiC、RE系など)による核生成促進が重要です。逆に冷却速度が遅い場合、自然核生成が起こりやすく、接種効果は相対的に低下します。特に薄肉鋳物では接種効果が品質に直結するため、冷却速度に応じた接種量の調整が必要です。

チルとは何ですか?

チルは鋳物の表面が硬くなる現象で、冷却が速過ぎたり、黒鉛が生成されなかったりすると起こります。チル化すると加工性が悪くなるため、防止が必要です。

Fe-Siは何のために使われますか?

Fe-Siは接種剤として使われ、黒鉛の核生成を助けることで、鋳鉄の組織を安定させます。Siは炭素当量にも影響するため、成分調整にも使われます。

銑鉄とは何ですか?

銑鉄は高炉で製造される鉄で、炭素を多く含み、鋳鉄の主原料として使われます。純度の高い銑鉄は鋳造品質を安定させます。

スクラップとは何ですか?

スクラップは再利用可能な金属くずで、鋳鉄の原材料として使われます。品質管理が重要で、不純物が多いと鋳造欠陥の原因になります。

溶湯管理とは何ですか?

溶湯管理は鋳造前の液体金属の成分や温度を管理することで、品質を安定させるための重要な工程です。CEメーターやチル試験などを用いて、成分や凝固性を評価します。

鋳鉄の種類には何がありますか?

主にねずみ鋳鉄、球状黒鉛鋳鉄、可鍛鋳鉄、白鋳鉄などがあります。それぞれ特性が異なり、用途に応じて使い分けられます。例えば、ねずみ鋳鉄は振動吸収性に優れ、球状黒鉛鋳鉄は強度が高いです。

接種とは何ですか?

接種は黒鉛の核を増やすために添加する処理で、黒鉛の形や分布を制御するために行います。Fe-SiやSiCなどが接種剤として使われ、凝固中の黒鉛成長を安定化させます

球状黒鉛とは何ですか?

球状黒鉛は黒鉛が球のような形で析出したもので、鋳鉄の強度やじん性を高めます。球状化処理(Mg添加)によって得られます。球状黒鉛鋳鉄(FCD)は水道管や自動車部品に使われます。

炭素当量(CE)とは何ですか?

炭素当量は鋳鉄の流動性や凝固性を評価する指標で、CとSiの含有量から計算されます。一般式は CE = C + 1/3Si です。CE値が高いほど黒鉛化しやすく、引け巣などの欠陥が減少します。

鋳鉄とは何ですか?

鋳鉄は炭素を多く含む鉄合金で、鋳造性に優れています。炭素が黒鉛として析出することで、独特の性質を持ちます。鋼よりも加工性が良く、振動吸収性にも優れているため、工作機械のベッドや自動車部品などに広く使われています。

鋳造後に硬さがばらつくのはなぜ?

冷却速度、黒鉛形態、基地組織の違いが原因です。鋳型設計と溶湯管理の見直し、硬さ試験による品質確認が必要です。

Mg処理後にすぐ接種すると効果が薄いのはなぜ?

溶湯が高温すぎると接種剤が反応しきれず、効果が減少します。Mg処理後に1〜2分待ってから接種することで、反応効率が向上します。

鋳型によって黒鉛形態が変わるのはなぜ?

鋳型の熱伝導率や冷却速度が黒鉛の成長に影響するためです。砂型では冷却が遅く片状黒鉛になりやすく、金型では冷却が速くチル化しやすくなります。

SiCを入れると泡が出るのはなぜ?

SiCが反応してガスを発生することがあります。投入温度が低すぎると反応が急激になり泡が出やすくなります。1450〜1500℃で投入し、ゆっくり攪拌することで泡の発生を抑えられます。

白銑化すると加工が難しくなるのはなぜ?

白銑はセメンタイトが主成分で非常に硬く、工具摩耗が激しくなるためです。加工性を改善するには、黒鉛化を促進する接種処理や冷却速度の調整が必要です。

チルが出やすい部位はどこ?

薄肉部、鋳型との接触面、冷却が速い部分にチルが出やすいです。鋳型設計で冷却速度を均一化し、接種剤の適正使用でチル化を抑制できます。

球状化率が日によって変わるのはなぜ?

Mgの残存量、REの添加量、スクラップの種類、冷却速度などが影響します。炉前での熱分析とチル試験を併用し、球状化率を定量的に評価することが安定化につながります。

接種剤を入れても黒鉛が細かくならないのはなぜ?

接種タイミングが遅い、溶湯温度が低い、または接種剤の効果が弱い可能性があります。接種はMg処理後すぐに行い、溶湯温度を1450℃以上に保つことが推奨されます。

スクラップを変えたら引け巣が増えたのはなぜ?

スクラップに含まれる不純物(S, Mnなど)が黒鉛化を阻害し、凝固収縮が増えた可能性があります。スクラップの化学成分分析を定期的に行い、安定した材質を確保することが重要です。

CEメーターの温度が毎回違うのはなぜ?

熱電対の劣化、テルルの分布不均一、カップの充填量不足、冷却速度のばらつきなどが原因です。定期点検と標準操作が必要です。特に熱電対のキャリブレーションを月1回行うことで誤差を±3℃以内に抑えることができます。

アルミダイカスト

不具合の原因特定に時間がかかり、生産効率が落ちてしまいます。改善策はありますか?

湯流れシミュレーションソフトを活用すれば、欠陥の発生箇所や原因を事前に可視化できます。現場での原因特定に要する時間を大幅に短縮でき、生産効率の向上と不良削減に直結します。

非発熱性フラックスのメリットは?

非発熱性フラックスは投入後に炉温が急上昇しないため、酸化物の生成が抑えられます。酸化物は鋳造品の硬化部(ハードスポット)の原因となるため、これを防ぐことで品質向上につながります。また、作業者への負担が軽減され、作業環境の改善にも寄与します。

固形潤滑剤の潤滑性について

固形潤滑剤は液体潤滑剤と同等の潤滑性を持ち、加熱時に発生する油煙がスリーブ内面へ均一に付着します。これにより安定した潤滑膜を形成し、摩耗低減と射出の安定化に効果を発揮します。

チップ・スリーブにはどんな種類がありますか?

日本では鉄製スリーブと鉄チップの組み合わせが一般的ですが、ヨーロッパでは温調機を用いたスリーブと銅チップの組み合わせが主流です。温度管理によりスリーブの変形(バナナ現象)を防ぎ、射出の安定化を図ります。また、銅チップはビスケット部を強冷することでサイクルタイムの短縮にも貢献します。

鋳巣対策に困っています

鋳巣にはヒケ巣とガス巻き込み巣があり、溶湯品質・型温度・離型剤のガス・射出時の空気巻き込みなど要因は多岐にわたります。まず原因を特定し、条件調整やガス低減対策など適切な改善策を組み合わせることが重要です。

型の温度は何度くらいを狙えばいいですか?

水溶性離型剤の場合、スプレー前の型温度は160℃以上250℃以下が理想です。160℃未満ではスプレーの水分が蒸発せず、250℃を超えるとライデンフロスト現象により離型剤が型に定着しにくくなります。型温度の上昇を防ぐには、型設計段階での冷却ラインの配置検討が重要です。

不具合の原因特定に時間がかかり、生産効率が落ちてしまいます。改善策はありますか?

湯流れ・凝固シミュレーションを活用することで、欠陥の発生位置や要因を事前に可視化できます。現場での試行錯誤を減らし、鋳造工程の欠陥発生箇所の特定の時間を大幅に短縮することで、生産効率と安定性の向上につながります。

フラックスの効果を最大化するための条件(温度、かき混ぜ方法など)は?

フラックスは溶湯温度660〜700℃を保ち、やさしく攪拌して全体に行き渡らせることが効果を最大化するポイントです。添加量は0.2〜0.5%が目安。鋳込み前の使用が有効で、脱ガスやろ過と併用すると酸化物除去と清浄度向上がさらに高まり、溶湯保護が効果的に行えます。

金型やチップ/スリーブの寿命を延ばすためのソリューションはありますか?

固形チップ潤滑剤で油煙が均一に行き渡り、チップ・スリーブ・金型の摩耗を抑えて寿命延長に貢献します。さらにスリーブを油温調で均一加熱することで変形(バナナ現象)を防ぎ、安定した射出と長寿命化を実現できます。

海外製品のリードタイムはどのくらいですか?

海外製品のリードタイムは製品ごとに異なりますが、副資材は自社倉庫に在庫を保有しており、短納期での出荷が可能です。設備類は個別に納期を確認し最適なスケジュールをご案内します。

アルミ溶湯清浄度の指針となるDI値とK値の違いは?

DI値はアルミ溶湯中のガス量を短時間で定量化できる指標で、清浄度の即時判断に適しています。K値は非金属介在物の評価指標で、サンプル観察や測定者の熟練度に影響を受けやすい点が特徴です。

固形チップ潤滑剤を使用するメリットは?

固形チップ潤滑剤は飛散や蒸気を抑えて射出まわりの環境を改善し、均一な潤滑でチップ・スリーブの摩耗を低減しします。そのため工具寿命延長と潤滑剤削減により、1ショット当たりのトータルコストを下げられます。

鋳造設備

放射温度計で注湯枠毎の注湯温度を正確に測定するためのポイントを教えてください

まずは測定視野に溶湯以外で赤外線エネルギーを発するモノが可能な限りない状態がベストです。 後は視野の調整ですが、幅広のターゲットのタイプを採用することで多少溶湯がブレても確実に溶湯を捕捉し、正確に測定できます。

型ばらし工程で、砂落ち不良や打痕が発生して困っています。改善方法はありますか?

振動角度や振幅を細かく制御できるシェイクアウトマシンを導入すれば、製品ごとに最適条件を設定でき、砂落ち不良や打痕を大幅に低減できます。効率的で安定したばらし工程の実現に効果的です。

危険作業を減らして作業者の負荷を軽減したい。効果的な改善案は何かありますか?

注湯工程では浸漬式温度計に代わり非接触の放射温度計を使うことで、安全に正確な温度測定が可能です。後工程ではマニピュレーター導入により重筋作業を自動化し、作業負荷とケガのリスクを大幅に低減できます。

工場全体の作業環境改善が課題です。何か良い改善策はありますか?

溶解炉まわりにはすべての工程(材料投入/ノロ取り/溶解/出湯)で煙や粉塵を確実に吸引する集塵フードが有効です。砂搬送には2枚のベルトで砂を挟み込んで垂直含めて搬送し飛散を防ぐダブルベルト式コンベアが効果的で、工場全体の環境改善に大きく貢献します。

製品冷却時の打痕不良に困っています。改善策はありますか?

振動コンベアやエプロンコンベアを用いた冷却搬送に切り替えることで、製品への衝撃や荷重を最小化できます。これにより冷却中の打痕発生を大幅に抑制し、仕上げ品質の安定化につながります。

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